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hana日記

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2009年 04月 15日

鵜戸神宮

その日は九州に台風が迫っており、波浪警報が出てました。
海は荒れ、風も強かった。でも晴天でした。

その神社の駐車場に車を入れて、とことこ歩いてたら
お土産屋さんのお姉さんが声をかけてくれました。
「貴方達は若いんだからこっちの参道から行ったら?」

そして目の前には山を上がるための階段がありました。汗
頑張って登り始めて、疲れて足下を見たら。
古い参道の石が人間の足の形で削られて変形してました。
人間の足の形でステップの真ん中がすり減ってる。
すり減った階段は山に向かって伸びてました。

人の思いってこんな形で石さえも削っていくんだ。
もう亡くなられたであろう、私たちの様な名もない人達の足跡を
いっぽいっぽ確認するように石の上に足をのせて上がって行きました。

山の上の空は晴天。眼下には荒れた海が広がり。絶景でした。
汗だくになりましたが。

ああ、山を登って良かった。

小高い山を抜け、小さな参道を下がって行くと神社の入り口へ抜けました。
そこにも大きな駐車場があり、山を越さなくても神社に行ける型になってました。
古い参道から参拝するように勧めてくれたお土産屋さんに感謝。

台風が近づいていたため、参拝者は数組だけでした。

海風が足下から吹き上がるように舞い上がり、
私たちのTシャツは今度は海の潮でしっとり濡れ始めました。

参道は岸壁に作られ、海を下降して行く形でした。
海の中には奇岩がそびえてました。無人の参道に風と潮。

そして突然目の前に洞窟が現れて、その中に社殿が建ってました。

予備知識がなかったため驚きました。

主人は精神世界に興味がなく、信仰も持っておりませんが。
海を見ながら「ここには神さまがいる」と言ったので驚きました。

豪華絢爛な社殿や参道、駐車場も素晴らしかったですが、
やはり大昔からの参道を歩けた事と
あの荒れ狂う海を見れた事に感謝したい。
そして海の中の奇岩と洞窟。

海や山、洞窟などの自然にも私たちは手を合わせました。
あそこは神社が建設されるずっと前から聖地だったと思う。

昔の人は山の参道を上がり海を眺め
山を下りて、海への細い参道をまた下降し
あの洞窟に至ったんだと思います。劇的な情景だったのでは。
自然に畏敬の念を抱かれただろうなと思いました。

海や山に神は宿る。
そして神は自分自身に宿る。

その前日は宮崎市で泊まってました。この神社に行ったら如何ですか?
と勧めてくれたフロントの方にも感謝したい。
行き当たりばったりの旅はなかなか楽しい。笑

6年程を九州で過ごしましたが、その後
ぶらぶら気ままの旅を極めようと良く旅行に出かけました。

by norihana333 | 2009-04-15 10:59 | 九州の思い出


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